メインテーマ・第2幕
コムラー・望遠ズーム 70〜200mm f4 2022/03/10
|
|
|
前コラムからの後編です。先に前編をご覧ください。
アルバイト先の大学生のアドバイスで、忠実屋のカメラやに走りました。ショーウインドウの中を指して、
「これ、これ、この望遠ズームを下さい!」
すると、店主
「マウントの在庫があるかな? 何のカメラ使ってるの?」
「キャノンEFです」と、オイラ。
「良いカメラだね」と、店主。
「そりゃそうだよ、親父がボーナス叩いて買ったカメラだから」と、オイラは心でつぶやいた。まず、キャノンな
ら、どんなマウントも、どんなアクセサリーも、「在庫なし」の心配は無かった。それが、キャノンだ。他のメーカ
ーはドングリ。だから、キャノンのロゴは格好良かった!
でも、オイラの稼ぎで購入した望遠ズームレンズは「コムラー」。確か、2万円でお釣りがきたと思う。「タムロ
ン」とか「シグマ」なら現存するメーカーだろうが、「コムラー」はさすがに現在無い。驚くべきことに、ヤフオクで
2022年現在でも出品されています。1000円ですが、画像だけお借りいたしました。
ズーム端でも200ミリ。今じゃ考えられないけど、半世紀前じゃ、当然の助動詞でした。「キャノンEF」のカメラ
本体は「シャッタースピード優先」だったので本当に助かりました。ファインダー内の露出メーターを、f4を下回
らないようにシャッタースピードを決めるだけ。複雑な露出計数を計算してマニュアルで数値を決定するなん
て不可能です。そして、たとえ三脚なしの手持ちでも1.0秒くらいは平気でした。文字通りに「腕」次第。今じゃ
「テレコン」って言ってるかもしれませんが、「テレプラスX2.0」も挟んでいます。このテレプラスも、キャノン純正
は高くて、高校生じゃ「ケンコー」製。単純に虫メガネで像を2倍するレンズで、暗さも半分になります。これで、
400ミリ望遠になりました。コンサートやプロ野球じゃ、胴から上のショットがやっとです。今じゃ、暗いレンズと
か、明るくて銘玉レンズとか言う輩いますが、本当に違いが判るのかな? 望遠で暗いレンズは致命的なん
です。それでも、写りさえすれば暗いレンズで妥協します。そもそも、望遠レンズの被写体って人物や物体で
す。背景をボカして、被写体を浮き立たせたいのに、f5.6とかf8の暗いレンズじゃ背景がボケないのです。「コ
ムラー」のこのレンズなんて、f4が使えて明るい部類です。
今のデジタルカメラでも、MFのスイッチがあります。残念ながら、マニュアルでピント合わせをした経験ある
ユーザーは少ないのではないでしょうか。マニュアルでのピント合わせは、ファインダー内で目視です。当然の
助動詞です。合わせ方はカメラのメーカーによって様々ですが、縦像が中央の横線でズレていて、それを一
直線に合わせるのがEFの場合でしたが、TTLといって、スルー・ザ・レンズの略です。一眼レフの第一原則
が、「ファインダー内の情報=実際の画像」です。だから、写る瞬間だけミラーがパカって音と共に跳ね上がり
ます。暗いレンズだと、ピント合わせの目視がしずらいんです。晴天以外の状況、特に室内や夜景は地獄で
したね。もう、目を薄目にしてスラしながら、「ここぞっ!」という瞬間にシャッターを押します。
このレンズを購入後、初めて入れたフイルムはモノクロです。当然の助動詞です。カラーに比べて、本体も
現像・プリント代も半額でしたからね。聖子ちゃんをアップで写すために、近所の犬や厚木飛行場で練習しま
した。露出は確かにオートみたいな感じで完璧でしたが、アングルがね、まあ初めてだから。ズームなのには
み出たり、ズーム足りなかったりとかでした。
|
|
|
|